Cの譜面をアルトサックスで読む方法
バンドでもらう譜面はたいていキーボード基準のC(コンサートキー)です。アルトサックスはE♭楽器なので同じ音を別の名前で呼び、そのまま読むと音が合いません。この記事では、なぜそうなるか、どう計算するか、そして計算せずに読む方法を順に説明します。
文:SJ Kim(Band Session Note開発者・サックス奏者)· 2026年9月16日
Cの譜面をそのまま読むと合わない理由
アルトサックスは「E♭楽器」です。譜面のCを吹くと、実際にはE♭の音が出ます。つまりアルトは書かれた音より長6度低く鳴ります。
だからキーボードがCの譜面を弾いている横で、アルトが同じ譜面をそのまま吹くと、長6度低い音になります。バンドの音がずれる原因はこれです。
解決策は2つ。奏者が頭の中で長6度上げて読むか、譜面そのものをアルト用に書き換えるかです。
楽器ごとの計算ルール
アルトサックス(E♭):コンサートの音を長6度上に読む。C→A、F→D、G→E。
テナーサックス(B♭):長2度上に読み、実際にはさらに1オクターブ上に書く(長9度)。C→D。
トランペット・クラリネット・ソプラノサックス(B♭):長2度上。C→D。
ホルン(F):完全5度上。C→G。
バリトンサックス(E♭)はアルトと同じルールで、オクターブだけ違います。
調号はどう変わるか
音が長6度上がると、調号はシャープ側に3つ動きます(♭があればその分消えてから♯が付きます)。
例:コンサートのヘ長調(♭1)→アルト用ニ長調(♯2)。コンサートのハ長調(調号なし)→アルト用イ長調(♯3)。コンサートの変ロ長調(♭2)→アルト用ト長調(♯1)。
B♭楽器はシャープ側に2つ動きます。コンサートのヘ長調(♭1)→トランペット・テナー用ト長調(♯1)。
コード名も同じルールで変わります。コンサートのCm7はアルトにとってAm7です。
ステージで速く読む3つの方法
①音部記号を読み替える:アルト奏者が長く使ってきた方法で、ト音記号の譜面をヘ音記号のつもりで読み、調号を直します。習得に時間がかかり、臨時記号でミスが出やすい。
②曲ごとに移調譜を作る:確実ですが、原本が変わるたびに2つとも直す必要があり、リハーサル中にその場では使えません。
③アプリで表示だけ変える:原本はCのまま、画面だけ自分の楽器の調に変えます。原本を直せば移調表示も追従するので、2つの管理がなくなります。
アプリならワンタップ
Band Session Noteでは上部の🎷ボタンを押してリストから楽器を選ぶだけです。E♭アルト・バリトン、B♭トランペット・テナー、Fホルン、Aクラリネット、Gアルトフルート、Dトランペット、オクターブ上・下の11種類。
調号・音符・コード名が一緒に変わり、ドラム譜はそのまま。保存された楽譜はコンサートキーのままで、Cを選び直せば元の表示です。
選んだ楽器は記憶されるので、次に開いても自分の調で表示されます。音符を直すときは表示が解除され、実音(C)で編集します。
下の画面が実例です。上は原本のヘ長調(♭1)、下は同じ楽譜をアルト(E♭)で見たニ長調(♯2)。

よくある質問
テナーは長2度なのに、なぜ1オクターブ上に書くのですか?+
テナーはB♭楽器なので音名は長2度違いですが、実音が記譜より長9度低く鳴る楽器なので、1オクターブ上に書く慣習があります。結果としてCの譜面のCは、テナー譜では1オクターブ上のDになります。
臨時記号のある音はどうなりますか?+
同じ音程で一緒に動きます。コンサートのB♭はアルトではG、コンサートのF♯はD♯です。アプリの移調表示は臨時記号まで計算します。
写真やPDFの譜面もアプリで移調できますか?+
いいえ。移調表示はアプリで音符として作成した楽譜に適用されます。写真の楽譜は画像なので調は変わりません。
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